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Interview 2024.08.01

創業者の松原春男氏

これまでもこれからも、大切なのは“小さくまとまらない”こと

#システム情報#創業期

創業者の松原春男氏

1980年に株式会社システム情報を創業し、30年を超えてトップとして会社を牽引。バブルの崩壊期や東京証券取引所ジャスダック市場への上場などさまざまな出来事を越え、御年80歳を迎えた松原氏に、これまでのシステム情報、そして生まれ変わったこれからのSI&Cへの期待などについて語っていただきました。

目次

ずっと変わらないのは“人とコミュニケーションを大切にする”こと

 

20247月に誕生した株式会社SI&C。その歴史のはじまりは、今から44年前の1980年、前身となる株式会社システム情報の設立に遡ります。

1980年は、アメリカ大統領選挙でロナルド・レーガン氏が当選し世界的に注目される一方で、12月にはジョン・レノン氏が暗殺される傷ましい事件も。まだITという言葉もなかったその時代に、システム情報は産声を上げました。

創業者の松原春男氏は、当時をこのように振り返ります。

 

「私は元々SEとして仕事をしていたのですが、先輩とのご縁で某専門学校で情報開発研究所に属し、学生たちに今で言うIT関連について教えていました。SEの仕事と講師の二刀流だった訳ですが、当時同じような活動をしている仲間が周囲にいたんですね。そのネットワークで集った11人の仲間と創業したのが、株式会社システム情報でした」

 

東京・赤坂のマンションの一室から、株式会社システム情報の物語はスタート。アクティブな毎日が続いていきます。

 

「お客様とお酒をご一緒したり、徹夜したりとか、本当にエネルギッシュな日々でしたね。システム開発はもとより、メーカーのOS(オペレーション・システム)という基幹システムから構築できる会社として、とにかくまずは世間に認知されるような企業に育てていこうという思いで、全員で必死に仕事をしていました。当時のオフィスはマンションの一室だったので、そこで寝ることもできてラクだった(笑)」

 

11名からスタートした会社は、時間の経過と比例して社員数も増えていくことに。

 

1981年の4月から、つまり創業の翌年から新卒採用をはじめたんですね。初年度は5名の新卒社員が入社しました。システム構築(SI)を手がけて行くには、技術とかノウハウとかももちろん大切ですけれど、その頃特に重視していたのが人材でした。1983年には社員数50名を超え、各現場で活躍する人材を会社の財産と思っていました。オフィスもどんどん拡大していきましたね」

 

人材が増えるほどに注力したのが教育だったと、松原氏は振り返ります。

 

「人が増えると、総務担当だったり教育を担うスタッフも必要になります。知識や技術に加えて、いやそれ以上と言っても過言でないくらいに大切なものとして皆で共有していたのが、コミュニケーションでした。

我々の仕事はシステムを構築するという点がまずありますが、それと同時にお客様とよく話をしてニーズを掴み取って、課題解決に向けてプロジェクトをまとめていく立場でもあります。そのために不可欠なのが、コミュニケーションです。黙々と作業に没頭するのではなくって、たまにはお客様と一緒に思い切り飲んだり食べたりを楽しむ。そうすると仲良くなって、いろんな話ができるんです。今の時代は難しいのかも知れませんがね(笑)」

50年企業、さらには100年企業に向けて

 

お客様との関係、社内の関係などコミュニケションを重視しながら、松原氏ご本人もSEとして、そして経営者としての研鑽を積んでいったそう。

 

「お客様との接点を増やすことに加えて、毎年開催していた社員旅行も良い想い出です。120名ほどでの1泊旅行ですが、そこでも皆でワイワイと楽しく飲んだ記憶があります。ただもちろん馴れ合いになると言うことではなくって、会社を成長させながら継続して存在させ続けることも、自分自身の大きな課題でしたので、厳しさも持ち合わせていたとは思います」

 

代表在任中に最も危機と感じたのは、バブルの崩壊だったそう。

 

「それまで勢いよく右肩上がりで来ていたのですが、一気に停滞してしまった。会社が大きく傾いたという訳ではありませんが、辛い決断も多くしなければならない期間でした。でも雨降って地固まると言いますか、さまざまな危機を乗り越えられたことで、改めて今現在に繋がる強固な礎を築くことにもなりました」

 

2013年には、東京証券取引所ジャスダック市場に上場。上場企業としての新たなる飛躍を目指し、第二の創業期とも言える時代の幕開けとなりました。

 

「システム開発に加えて、OS開発ができる点も我が社の強みでした。そういったところを強めつつ、さらなる規模拡大や事業拡大を目指して上場を決意しました。またこの時も、人材の確保にはとても力を入れましたね」

 

松原氏が考える良い人材の定義には、4つのポイントがあるそう。

 

「一つはお客様ときちんと話ができること。二つ目が、お客様のニーズをしっかりと見極められること。三つ目が、それらを通じて正しいソリューションを提供できること。そして四つ目が、解決策を提供して終わりではなく、それらを継続的に機能させアップデートさせ続けること。我々の分野に留まらず、どの仕事にも大切なことですよね」

 

旧システム情報や新SI&Cには、その4つのポイントを持つ人材が多いと松原氏は笑顔で話します。

 

「何度も言いますが、人材は本当に大切にしてきて、今も財産だと思っています。社風としてもギスギスしていないというか、逆に人情に厚い人が多くて迷惑に思っちゃう人がいるんじゃないかと心配するくらいで(笑)。類は友を呼ぶじゃないですけど、本当にそんな企業文化が続いていて、それはこれからも守られていくんじゃないかと思いますけどね」

 

風通しの良い社風を受け継ぎつつ、20247月に株式会社SI&Cとして新たにスタート。松原氏は期待と同時に、安心感も抱いていると話して下さいました。

 

AIDXなど時代もニーズもビジネスモデルも、すごい速さで変化しています。システム情報も会社として社会の中でどう存在していくか、それはずっと大きなテーマでした。今回のMBOという判断に賛成していて、新たに就任した岩澤社長のキャリアやリーダーシップも素晴らしく、一つの組織として改めて強固にまとまったと確信していますよ。50年企業、100年企業に向けて楽しみです」

 

最後に、これからのSI&Cに期待するところを語っていただきました。

 

「日本国内だけでなく、海外との繋がりもどんどん増えていくでしょう。若い人にもベテランにも伝えたいのは、小さくまとまらないでほしいということ。積極的に自分を出して、どんどんチャレンジしてもらいたい。システム情報からSI&Cになり、これからのさらなる進化を、心から期待しています」