培った伝統や歴史を受け継ぎながら、次なる章に向けて新たに生まれ変わった株式会社SI&C。
代表取締役社長として新生SI&Cを牽引していく岩澤俊典が、何を目指し、何を実現していくのか。これからについて語ります。
目次
第三の創業となるSI&Cの発足
Q. 岩澤社長の略歴や前身となる(株)システム情報との関わりを教えて下さい
私は1990年に伊藤忠商事株式会社に入社しましたが、その後コンサルティング業界に移りました。前身であるデロイトトーマツコンサルティング時代から在籍したアビームコンサルティング株式会社では2009年から11年間代表を務め、2020年からの3年間はデジタル庁の立ち上げに携わりました。2023年に株式会社システム情報の顧問に、そして2024年1月に代表取締役社長に就任しました。
Q. どのようなタイミングでの代表就任になりましたか?
旧システム情報のSI&Cは、1980年の創業から40年を超えて信頼を築いてきたシステム開発会社です。技術力はもちろん、顧客をはじめとした各ステークホルダーとのつながりや信頼関係が強固に構築されている伝統と歴史を有する企業です。
2013年にはJASDAQに上場し第二の創業を迎え、そこから10年ほどにわたって年率10%以上の成長を積み重ねています。その意味で非常に優良な企業ではありますが、さらにスピードが上がってゆく変化への対応や今後の在り方を考慮した時に、この2024年7月に実施した社名変更やリブランディングを含めた、第三の創業とも言える新生SI&Cを発足させました。
技術の追求にプラスして、その技術を生かして何をするかを追求する
Q. MBO(マネジメント・バイアウト)実施の理由とは?
自社の株式を取得しオーナー経営者として独立するMBOという手法は、とても大胆と言いますか、勇気が必要な手法でした。プライム市場からあえて離れ、自分たちの手で改めて成長路線を描き進んでゆく。それは大きな決断でもありました。
私自身のキャリアにおいて大切にしてきた一つのキーワードが「これまで日本になかった会社をつくる」ということです。今回のMBOにおいても、それまでの(株)システム情報の延長線上というのではなく、まったく新しい企業である「株式会社SI&C」をつくるという意識でした。そこを最も大きな目標としてMBOを実施しました。
Q. 新生SI&Cで目指すこととは?
ソフト開発・プログラム・インフラやネットワークの構築・クラウドやアーキテクチャー…など、SI&Cは時代の変遷や多様化するニーズに応え進化し続けてきました。
第一の創業である1980年から30年ほどは、どちらかというと少数精鋭でお客様のニーズに応えてきた時期でした。第二の創業となる2013年の上場時からは成長路線を歩み、そして今、第三の創業を迎えて次なる時代へと突き進んでいます。
近年は特にDX需要などもあり着実な成長を重ねてきましたが、我々のいわゆる情報通信業界における2階層目「Tier2」の構造にも変化が求められ、業界全体としても踊り場に差し掛かっていると感じています。そういった背景もあり、SI&Cが積み重ねてきた財産に幅広い価値をアドオンしていく必要が生じています。
技術の追究だけでなく、その技術をどう生かしていくか、そしてその技術によって何を生みだしていくのかを追求していかなければならない。こうして欲しいというご依頼にお応えするだけでなく、新しいものを生みだしていくことが不可欠なのです。
Q. “新しいものを生みだす”とはどのようなことですか?
今後もお客様のニーズやご依頼に応えつづけることは当たり前のこととして、“新しいものを生みだしていく”ことがさらに必要となります。
“新しい”とは何か。その一つは、お客様に「この技術をこう活用することで、このような新しいことができる」と提案・発信していくこと。このテクノロジーでこんなイノベーションを起こすことができる、御社のビジネスでこのようなクリエーションが可能になる…と、お客様も気づかなかったアイデアや視座で、技術を生かした“新しいもの”を提示していく。
それこそが新しいSI&Cの姿であり、キャッチコピーの『Beyond SI』にも込めている想いです。より詳しくは「後編」でお話ししましょう。
――「後編」に続く